RSウィルス感染症について
こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。
今日は、特に小さなお子さんをお持ちのママ、これからママになる妊婦さんたちに知ってほしい「RSウィルス感染症」についてお伝えしようと思います。
◆RSウィルスってなに?
RSウィルスは、乳児や小児に多く見られる風邪ウィルスの一つです。特に秋から冬にかけて流行しやすく、時に重症化することもあります。特に注意が必要なのは、6ヶ月未満の赤ちゃんです。
◆6ヶ月未満の赤ちゃんにとっての危険性
6ヶ月未満の赤ちゃんがRSウィルスに感染すると、重症化するリスクが非常に高くなります。
3歳以上の幼児さんや小学生・大人がかかっても「ただの風邪」程度の症状で終わってしまいます。
しかしまだ小さい赤ちゃんの呼吸器は未発達で、ウィルスが肺や気道に入ると、呼吸が苦しくなってしまいます。ゼーゼーしたり鼻水や痰が絡んで嘔吐してしまったり、場合によっては命に関わることもあるので、特に注意が必要です。
◆RSウイルスの症状
RSウィルスの初期症状は「ただの風邪」です。咳や鼻水、熱が出ることが多いですが、これが悪化すると呼吸が速くなったり、ゼーゼーという音(喘鳴)が聞こえたりすることがあります。また、一般的にはあまり発熱しない6ヶ月未満の赤ちゃんが高い熱を出します。
◆RSウイルスの治療法
残念ながら、RSウィルスには特効薬がありません。
治療は対症療法が中心になります。具体的には、以下のようなことが行われます。
加湿:お部屋の湿度を上げて、赤ちゃんの気道を潤します。
吸引:鼻水や痰を吸い取ってあげることで、呼吸を楽にします。
酸素投与:必要に応じて酸素を補給します。
入院:重症化した場合は、入院して点滴や呼吸管理を行います。
◆RSウイルスの予防法
小さな赤ちゃんのいるお宅では、RSウィルスに特に気をつけていただきたいです。
手洗い:外から帰ったら、必ず手を洗いましょう。ウィルスは手を介して広がりやすいです。
人混みを避ける:特に流行している時期には、できるだけ人混みを避けるようにしましょう。
実は、RSウィルスに対して、新しいワクチンが開発されました!
今までも低出生体重児・早産児・心疾患を持っているお子さんには特別に免疫グロブリンを投与していましたが、一般の赤ちゃんに向けてのRSウィルスワクチンはありませんでした。
この新しいワクチンについては、次回詳しくお伝えします。ぜひご覧ください。