RSウィルスに対する新しいワクチン「アブリズボ」について
こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。
皆さんにRSウィルスに対する新しいワクチン「アブリズボ」についてご紹介したいと思います。前回はRSウィルス感染症についてご説明しました。
特に生後6ヶ月未満の赤ちゃんにとっては肺炎や細気管支炎を引き起こし、入院しなくてはならなくなるリスクがとても高く怖いウィルスでしたよね。
◆新しいワクチン「アブリズボ」とは?
「アブリズボ」はRSウィルス感染を予防するための新しいワクチンです。
このワクチンは妊娠中の妊婦さんに接種することで胎盤を通じて赤ちゃんに抗体が移行し、生まれたてから生後6ヶ月までの赤ちゃんをRSウィルスから守ってくれるものです!
◆ワクチンの効果
「アブリズボ」の接種によって妊婦さんから赤ちゃんに移行した抗体は、赤ちゃんが生後6ヶ月になるまでRSウィルス感染のリスクを大幅に低減(発症予防効果は50%程度)します。
この予防接種は、たとえRSウィルスに感染しても、重症の肺炎や細気管支炎になることを予防してくれる(90%以上)のです。
◆接種のタイミング
「アブリズボ」の接種は、妊娠24週から36週の間に行われます。接種をして2週間経過すると母体内で抗体が作られ、胎盤を通過して赤ちゃんの体を守ってくれます。
◆副作用について
ワクチン接種後、注射部位の痛みや軽い発熱などの一般的な副作用が報告されています。しかし、重篤な副作用は非常に稀です。不安な点がある場合は、どうぞご相談ください。
◆RSウイルスの予防法
小さな赤ちゃんのいるお宅では、RSウィルスに特に気をつけていただきたいです。
手洗い:外から帰ったら、必ず手を洗いましょう。ウィルスは手を介して広がりやすいです。
人混みを避ける:特に流行している時期には、できるだけ人混みを避けるようにしましょう。
実は、RSウィルスに対して、新しいワクチンが開発されました!
今までも低出生体重児・早産児・心疾患を持っているお子さんには特別に免疫グロブリンを投与していましたが、一般の赤ちゃんに向けてのRSウィルスワクチンはありませんでした。
この新しいワクチンについては、次回詳しくお伝えします。ぜひご覧ください。