熱性けいれんの対処法

こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。

今日は熱性痙攣(ねつせいけいれん)についてお話しします。熱性痙攣は、発熱に伴って子どもが突然痙攣を起こすことで、初めて目の当たりにすると保護者のかたもパニックになってしまいがちです。正しい対処法を知っておくことで、冷静に対応できるようにしましょう。

熱性痙攣とは?

熱性痙攣は、発熱によって脳の神経が一時的に過敏になり、全身の筋肉がけいれんする状態を指します。特に生後6ヶ月から5歳までのお子さんに多く見られます。一般的には数分で収まりますが、初めて経験する時はとても驚かれることでしょう。

症状

全身的なけいれん:体全体が硬直したり、手足がガクガクと動くことがあります。

意識が朦朧とする:痙攣中は意識がなく、反応が鈍くなることがあります。

眼球の動き:目が上に向いたり、焦点が合わなくなったりすることがあります。

呼吸が荒くなる:痙攣中は呼吸が不規則になることがありますが、数分以内に通常の呼吸に戻ることがほとんどです。

熱性痙攣の対処法

熱性痙攣が起こった場合、次の対処法を参考にしてください。

冷静に対処する:まずはパパママが落ち着くことが大切です。子どもを安全な場所に寝かせ、けがをしないように周りの物を避けましょう。

横向きに寝かせる:子どもを横向きに寝かせ、呼吸を確保します。口の中に何かを入れると危険なので、絶対に避けてください。

時間を計る:痙攣が始まった時刻を確認し、どれくらい続くかを計りましょう。通常、熱性痙攣は数分以内に収まります。

観察する:痙攣の様子をよく観察し、医師に伝えられるようにしておきます。けいれんの頻度、持続時間、身体のどの部分が動いているかなどを記録しておきましょう。もし可能であれば動画を撮っていただけると診察する時に大変助かります。

衣類を緩める:衣類を緩めて、呼吸を楽にします。体温を下げるために、冷たいタオルを使って体を拭くことも良いでしょう。

受診が必要な場合

次のような場合は、すぐに医師に相談してください。

痙攣が5分以上続く:痙攣が5分以上続く場合は、緊急の対処が必要です。

初めての痙攣:初めて痙攣を経験した場合は、翌日までには医師に相談して詳細な診断を受けましょう。

呼吸困難や青白くなる:呼吸が非常に困難であったり、顔色が青白くなる場合は、緊急対応が必要です。

意識が戻らない:痙攣が収まった後も意識が戻らない場合は、すぐに受診してください。

熱性痙攣の感染予防と発熱管理

熱性痙攣の予防には、発熱の管理が重要です。以下の点に注意しましょう。

体温をこまめにチェック:子どもの体温を定期的に測り、早めに発熱に気付くようにしましょう。

適切な水分補給:発熱時には体から水分が失われやすいため、こまめに水分を摂らせましょう。

解熱剤の使用:医師の指示に従い、必要に応じて解熱剤を使用することで、体温の上昇を抑えます。

薄着をさせる:熱をこもらせないように、軽い服装にしてあげましょう。体温を下げるためには、冷たいタオルで体を拭いたり、部屋の温度を調整することも効果的です。

パパ・ママへのアドバイス

熱性痙攣は親としてとても心配な出来事ですが、冷静に対処することで子どもを守ることができます。以下の点にも気をつけてください。

パニックにならない:子どもが痙攣を起こしても、まずは深呼吸して冷静になることが大切です。ママが落ち着いていることで、子どもも安心できます。

周りの人に協力を求める:痙攣が起こった時は、一人で対応せず、周りの人に協力を求めましょう。パートナーや家族、友人にサポートをお願いすることで、迅速に対応できます。

病院の連絡先を確認しておく:いざという時のために、近くの病院やクリニックの連絡先を確認しておきましょう。緊急時に迅速に対応できるように準備しておくことが大切です。

熱性痙攣の対処法を知っておくことで、いざという時に冷静に対応できます。子どもたちが安心して過ごせるように、ぜひ参考にしてくださいね。

何か心配なことがあれば、いつでもクリニックにご相談ください。
次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!

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