小さい子どもの頭部外傷について

こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。

今日は小さい子どもの頭部外傷についてお話しします。赤ちゃんや小さな子どもは日常生活の中で転倒したりぶつけたりして頭を打つことがよくあります。頭部外傷は大きな心配事の一つですが、予防策を知っておくことでリスクを減らすことができます。
今回は危険な場所や頭部外傷の対処法について詳しくお伝えします。

頭部外傷とは?

頭部外傷とは、頭を打ったりぶつけたりして生じる外傷のことです。軽い打撲から重度の脳震盪(のうしんとう)や脳挫傷(のうざしょう)までさまざまです。
特に赤ちゃんや小さな子どもは頭が重くバランスを取りにくいため、転倒やぶつかることが多くなります。

赤ちゃんの生活の中に潜む危険な場所

日常生活の中で、赤ちゃんが頭を打つリスクが高い場所や状況を把握しておくことが大切です。

ベビーベッド:赤ちゃんが寝返りを打ったり、つかまり立ちを始めると、ベビーベッドから落ちるリスクが高まります。ベッドの柵をしっかり上げ、寝かせる場所を安全に整えましょう。

ソファやベビーチェア:ソファやベビーチェアからの転落も多いです。短時間でも目を離さないようにし、ベルトがあるものはしっかりと締めることが重要です。

階段:階段は特に危険な場所です。階段の上り口と下り口にはゲートを設置し、子どもが自由に出入りできないようにしましょう。

家具の角:テーブルや棚などの家具の角に頭をぶつけることがあります。家具の角にはコーナーパッドを付けて、衝撃を和らげるようにします。

浴室:浴室の床は滑りやすいため、転倒による頭部外傷が起こりやすいです。滑り止めマットを敷いたり、バスタブに入れる際はしっかり支えるようにしましょう。

頭部外傷の症状

軽度の症状
・小さなこぶや腫れ
・軽い頭痛や一時的な痛み

中等度の症状
・嘔吐や吐き気
・眠気や意識のぼんやり

重度の症状
・意識喪失
・けいれん
・呼吸困難や不規則な呼吸
・顔面蒼白

中等症以上のときには直ぐに医療機関を受診してください!救急車を呼んでいただいても構いません。

頭部外傷の対処法

子どもが頭を打った場合、次の対処法を参考にしてください。

落ち着いて確認する:まずは親御さんが落ち着き、子どもの状態を確認しましょう。泣いている場合は、すぐに抱きしめて安心させます。

傷口の確認:出血がある場合は、清潔な布やガーゼで圧迫して止血します。傷が深い場合は、早めに医師に相談してください。

冷やす:打った部分を冷やすことで、腫れや痛みを和らげます。冷たいタオルやアイスパックを使い、直接肌に当てずタオルに包んで冷やしましょう。

安静にさせる:頭を打った後は、子どもを安静にさせます。無理に動かさず、静かに過ごさせましょう。

医師に相談する:中等度以上の症状が見られた場合や、心配な場合はすぐに医師に相談してください。特に意識が朦朧としている場合や嘔吐が続く場合は、早急な受診が必要です。

予防と注意点

部外傷を防ぐために、日常生活で以下の点に気をつけましょう。

安全な環境を整える:家具の配置や階段、浴室などの危険な場所を確認し、安全対策を施しましょう。滑り止めマットやコーナーパッドを使用し、転倒リスクを減らします。

目を離さない:特に赤ちゃんが動き回るようになったら、目を離さないように注意しましょう。短時間でも危険が潜んでいる場合があります。

家族全員で協力する:家族全員で子どもの安全を守る意識を持ち、協力して見守ることが大切です。パートナーや家族と情報を共有し、連携を図りましょう。

パパ・ママへのアドバイス

赤ちゃんや小さな子どもが頭を打つと、親として心配になりますが、まずは冷静に対処することが大切です。以下の点にも気をつけてください。

パニックにならない:子どもが頭を打った時も、まずは深呼吸して冷静になることが大切です。ママが落ち着いていることで、子どもも安心します。

情報を共有する:家族や保育士、ベビーシッターなど、子どもを見守る人々と情報を共有し、安全対策を徹底しましょう。

頭部外傷の予防と対処法を知っておくことで、いざという時に冷静に対応できます。子どもたちが安心して遊びながら成長できるように、ぜひ参考にしてくださいね。何か心配なことがあれば、いつでもクリニックにご相談ください。

次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!

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