ヘルパンギーナと手足口病の共通点と違い
こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。
夏は暑さと共に夏風邪も流行する季節です。特に小さな子供たちに多く見られる「ヘルパンギーナ」と「手足口病」は、夏風邪の代表的な病気です。
今回は、この二つの病気の共通点と違いについて詳しく解説します。子供たちの健康を守るために、ぜひ参考にしてくださいね。
ヘルパンギーナと手足口病の共通点
まず、ヘルパンギーナと手足口病には以下のような共通点があります。
・ウイルスによる感染症:どちらもウイルスが原因で起こる感染症です。主にエンテロウイルス属のウイルスが関与しています。
・夏に流行する:どちらの病気も夏に多く見られることから「夏風邪」として知られています。高温多湿の環境でウイルスが活発になるため、夏に流行しやすいです。
・飛沫感染と接触感染:感染経路は、主に飛沫感染と接触感染です。くしゃみや咳による飛沫や、ウイルスが付着した物や手を介して感染が広がります。
・発熱と発疹:両方の病気とも、発熱と発疹が主な症状として現れます。ただし、発疹の出方や部位には違いがあります。
・治療法が似ている:どちらもウイルス性の感染症であるため、特効薬はなく、対症療法が中心となります。症状を緩和するための治療が行われます。
ヘルパンギーナの特徴
ヘルパンギーナは、主にコクサッキーウイルスA群によって引き起こされます。
以下が主な特徴です。
・急な高熱:突然の高熱が特徴で、38〜40℃の発熱が見られます。発熱は2〜4日続くことが多いです。
・のどの痛みと口内の水疱:のどの奥や口内に小さな水疱ができ、それが潰れて潰瘍となります。このため、のどの痛みや口内の痛みが強く、飲食が難しくなることがあります。
・発疹がない:体や四肢には発疹がなく、口内の症状が主な特徴です。
手足口病の特徴
手足口病は、エンテロウイルス(特にコクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型)によって引き起こされます。以下が主な特徴です。
・中等度の発熱:発熱は比較的軽度で、38℃前後の微熱が見られます。熱は数日で下がることが多いです。
・手足と口内の発疹:手のひら、足の裏、口の中に水疱性の発疹が出ます。口内の水疱は痛みを伴うことがあり、口内炎のように感じられます。
・全身に広がることも:発疹は手足や口だけでなく、臀部や膝などにも広がることがあります。
パパ・ママへのアドバイス
ヘルパンギーナと手足口病の対処法は似ていますが、それぞれの特徴を理解して適切に対応することが大切です。以下の点に気をつけてください。
・水分補給:どちらの病気でも、発熱や口内の痛みで水分摂取が難しくなることがあります。冷たい飲み物やアイスクリームなど、飲みやすいものを与えましょう。
・食事の工夫:口内に痛みがある場合は、刺激の少ない柔らかい食べ物を選びましょう。ヨーグルトやプリン、スープなどがおすすめです。
・安静と休養:高熱やのどの痛みがある場合は、安静にして十分な休養を取ることが大切です。熱が下がるまで無理をさせないようにしましょう。
・感染拡大の予防:手洗いの徹底やマスクの着用で、ウイルスの拡散を防ぎましょう。家庭内での感染予防も重要です。
・医師の指示に従う:特に手足口病の場合は、まれに重症化することがあります。発熱が続く場合や症状が悪化する場合は、早めに医師に相談してください。
ヘルパンギーナと手足口病はどちらも子供たちによく見られる病気ですが、適切な対処とケアで回復をサポートすることができます。何か心配なことがあれば、いつでもクリニックにご相談くださいね。
次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!