インフルエンザワクチンの有効性と必要性について

こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。

インフルエンザの流行が近づくと、ワクチン接種について気になる方も多いのではないでしょうか。今回は、インフルエンザワクチンの有効性と必要性、そしてワクチンがどのように作られ流通しているのかについて、簡単にわかりやすくご説明します。

インフルエンザワクチンの有効性

インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスに対する免疫をつけるために接種します。主な有効性は以下の通りです。

感染予防:ワクチンを接種することで、インフルエンザウイルスに感染するリスクを大幅に減らすことができます。特に小さなお子様や高齢者、基礎疾患を持つ方にとって重要です。小さなお子様は、インフルエンザ脳炎や熱性痙攣のリスクが高く、命に関わる事態に発展してしまうからです。

重症化の予防:もし感染した場合でも、ワクチン接種によって症状が軽くなる可能性があります。入院や重篤な合併症のリスクを減少させる効果が期待できます。

集団免疫の形成:多くの人がワクチンを接種することで、集団全体の免疫力が高まり、感染の拡大を抑えることができます。

インフルエンザワクチンの必要性

毎年インフルエンザが流行する中で、ワクチン接種の必要性が高まっています。その理由は以下の通りです。

流行するウイルスの変化:インフルエンザウイルスは毎年変異を繰り返します。そのため、昨年のワクチンでは十分な免疫が得られない場合があります。最新の流行予測に基づいたワクチンを毎年接種することが重要です。

リスクの高い人々の保護:高齢者や妊婦、小児、慢性疾患を持つ人などはインフルエンザにかかると重症化しやすいため、ワクチン接種が特に推奨されます。

社会全体の健康保護:ワクチン接種により、学校や職場での集団感染を防ぎ、社会全体の健康を守ることができます。特に医療従事者や公共サービスに従事する人々のワクチン接種は重要です。

インフルエンザワクチンの製造と流通

インフルエンザワクチンは、毎年どのようにして作られ流通しているのでしょうか?

ウイルス株の選定:世界保健機関(WHO)を中心に、次の流行シーズンに流行が予想されるウイルス株が選定されます。この予測は、世界中のインフルエンザウイルスのデータに基づいて行われます。

ワクチンの製造:選定されたウイルス株に基づいて、ワクチンが製造されます。主に鶏卵を使用してウイルスを増殖させ、これを元にワクチンを製造します。近年では、細胞培養技術を用いた製造法も採用されています。

安全性と有効性の確認:製造されたワクチンは、厳格な試験と検査を経て、安全性と有効性が確認されます。これにより、ワクチンが安全に使用できることが保証されます。

流通と接種:接種開始は毎年10月ごろから始まり、流行が収束するまで続けられます。

パパ・ママへのアドバイス

子供や家族全員の健康を守るために、インフルエンザワクチンの接種を検討してみてください。以下の点に気をつけてください。

早めの接種:インフルエンザワクチンは接種してから効果が現れるまでに2週間程度かかります。流行が始まる前に早めに接種することが大切です。

定期的な接種:インフルエンザウイルスは毎年変異するため、定期的な接種が必要です。昨年接種した方も今年も接種を忘れないようにしましょう。

医師に相談する:接種に不安がある場合や、基礎疾患がある場合は、かかりつけの医師に相談してから接種を行いましょう。

インフルエンザワクチンは、自分自身と家族、そして社会全体の健康を守るための重要な手段です。何か心配なことがあれば、いつでもクリニックにご相談くださいね。

次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!

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