赤ちゃんの尿路感染症について
原因がわからない発熱のときは注意!

こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。

小さな赤ちゃんが発熱すると、親としてはとても心配です。中でも、原因がわからない発熱が続く場合、尿路感染症(UTI)を疑うことがとても重要なんです。

特に6ヶ月未満の赤ちゃんの場合、尿路感染症は発熱以外の症状が目立たないため、見逃されやすい病気です。また、尿路感染症の裏に尿路奇形が隠れていることがあるため、適切な検査が必要です。今回は、赤ちゃんの尿路感染症の症状、治療、そしてなぜ検査が重要かについて詳しくお話しします。

原因不明の発熱に隠れる尿路感染症

赤ちゃんが発熱しても、風邪の症状や咳、鼻水などが見られない場合は、尿路感染症が原因かもしれません。特に早期乳児においては、尿路感染症は見逃しやすい病気です。しかし、適切な治療が遅れると腎臓に影響を及ぼすリスクがあるため、原因不明の発熱を見たら尿路感染症を疑うことが重要です。

早期乳児の原因不明の発熱時には尿路感染症を疑う
6ヶ月未満の赤ちゃんは、お母さんの免疫で守られているために、ウィルス感染の風邪にはかかりにくいものです。しかしそんな小さい赤ちゃんが万が一に発熱してしまったときには、尿路感染症を疑う必要があります。

尿路奇形が隠れている可能性があるため、検査が必須
尿路感染症は、尿路の構造に異常があると発症しやすくなります。こうした尿路奇形が隠れている場合は、感染が再発しやすいため、早期発見と適切な治療が求められます。発熱を伴う尿路感染症が確認された場合は、尿路の形態を評価するための検査が推奨されます。

赤ちゃんの尿路感染症の症状

尿路感染症の症状は、赤ちゃんに特有のものが多く見られます。しかし、これらの症状は他の病気とも似ているため、症状だけで診断することが難しい場合もあります。親御さんとしては、赤ちゃんの変化に気づくことが重要です。

発熱
特に尿路感染症は38度以上の発熱が数日続くことがあります。赤ちゃんが原因不明の高熱を出した場合、尿路感染症の可能性を考慮しましょう。

機嫌の悪さやぐったり
赤ちゃんが機嫌が悪く、普段と違ってぐったりしている場合も尿路感染症のサインかもしれません。赤ちゃんは言葉で不調を伝えられないため、親が普段の様子と比べて異常を感じることが大切です。

尿路感染症の治療と検査の必要性

尿路感染症は細菌による感染症のため、抗生物質治療が必要です。また、特に赤ちゃんが尿路感染症にかかった場合、尿路奇形などの基礎疾患の有無を調べるための検査が重要です。

・抗生物質による治療
尿路感染症の治療は、医師の指示に従い抗生物質を用いて行われます。生後数ヶ月以内の赤ちゃんの場合は必ず入院して点滴治療していただきます。

尿検査および尿路の形態検査
尿路感染症と診断された場合、尿の細菌を特定するための尿検査が行われます。また、繰り返す尿路感染症の裏には尿路奇形(膀胱尿管逆流や腎奇形など)があることがあるため、さらに詳しい検査が必要になる場合があります。尿路奇形が確認されれば、再発防止のための治療方針が立てられます。

赤ちゃんが原因不明の発熱を訴えた場合、尿路感染症の可能性を考え、適切な検査を行うことが重要です。

特に尿路奇形の可能性がある場合は、早期に診断して適切な治療を行うことで、赤ちゃんの健康を守ることができます。普段からの観察と清潔なケアを心がけて、赤ちゃんが快適に過ごせるようサポートしてあげてくださいね。何か心配なことがあれば、いつでもクリニックにご相談ください。

次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!

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