子どもの発達障害を疑うのはどんな時?
親が気づくサインと対応方法
こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。
おこさんの成長を見守る中で、他の子どもと少し違うところが気になると、不安になることがありますよね。特に発達障害の可能性を考える時は、親としてどのように対応すべきか悩むことも多いでしょう。
今回は、子どもの発達障害について、親が気づきやすいサインとその時の対応方法についてお話しします。
発達障害とは?
発達障害は、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などが含まれます。これらの障害は脳の働き方に違いがあるため、コミュニケーションや行動、学習などに困難が生じることがあります。
子どもによって症状の現れ方や程度が異なり、早期に気づいて適切なサポートを受けることが、子どもの成長と生活の質を高めるために重要です。
発達障害を疑うサイン:親が気づきやすいポイント
発達障害にはさまざまな特徴があり、成長の段階において、他の子どもと異なる行動や反応が見られることがあります。以下は、親が気づきやすい主なサインです。
・言葉の遅れやコミュニケーションの違い
自閉スペクトラム症(ASD)を持つ子どもは、言葉の発達が遅れたり、言葉の使い方に独特な面が見られることがあります。例えば、2歳を過ぎても単語が増えない、周囲と話す際に目を合わせない、他人の言葉をそのまま繰り返す(エコラリア)といった行動が見られる場合です。
・極端なこだわりや習慣
ASDの子どもは、特定の物や行動へのこだわりが強く、変化を嫌う傾向があります。例えば、毎日同じ道順でなければ落ち着かない、特定のおもちゃに執着する、日常生活の些細な変化に強い拒否反応を示すなどです。
・集中力や多動性に問題が見られる
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子どもは、集中力の持続が難しく、授業中に席を立ったり、他の子どもと比べて動きが激しいことがあります。また、話を聞かないように見える、待つのが苦手といった特徴もあります。
・運動の発達や手先の不器用さ
発達障害の中でも、学習障害(LD)や運動機能に影響がある場合、ボールをうまく投げられない、手先の動きが不器用である、絵を描くのが難しいなどの運動の遅れが見られることがあります。
・友だちと遊ぶのが苦手
他の子どもと一緒に遊ぶ際、コミュニケーションや社会的なやり取りに困難を感じる子どももいます。友だちの気持ちを理解するのが難しく、遊びのルールを守るのが難しかったり、相手の話に共感することが少ない場合も発達障害のサインの一つです。
発達障害を疑ったときの対応方法
子どもの行動や発達の遅れに疑問を感じたときは、冷静に対処し、必要なサポートを得ることが大切です。
・まずは小児科医や専門医に相談
発達障害が疑われる場合、まずは小児科医に相談しましょう。医師は、子どもの成長段階に応じて適切な評価を行い、必要に応じて専門の機関への紹介や検査を行います。
・早期発見・早期支援を目指す
発達障害は、早期発見・早期支援が大切です。早めに気づいて適切なサポートや療育を受けることで、子どもが持つ特性を理解し、適応能力や生活の質を高めることができます。発達障害の診断がついた場合、専門の支援を受けることで、子ども自身も安心して生活できる環境を整えることができます。
・家庭や学校でのサポートを工夫する
発達障害を持つ子どもは、家庭や学校での環境調整が大切です。例えば、ルールをシンプルにしたり、スケジュールを見える化することで、生活の中での混乱を減らす工夫が役立ちます。また、学校と連携し、子どもが安心して過ごせるように環境を整えましょう。
・家族や専門家のサポートを得る
発達障害は、子どもだけでなく家族にも影響を及ぼすことがあります。子どもをサポートするために、親自身もカウンセリングや支援グループを活用して、家族全体が前向きに発達障害と向き合えるようにすることが重要です。
親として心がけること
発達障害は、子どもが生まれ持った特性の一つであり、決して「悪いこと」ではありません。親としては、子どもの個性を受け入れ、無理をせず成長をサポートすることが大切です。
・無理に「普通」に合わせようとしない
子どもが他の子どもと違うところがあっても、それを無理に変えようとするのではなく、子どもの個性として受け入れる姿勢が大切です。焦らずに成長を見守りましょう。
・小さな成功を一緒に喜ぶ
発達障害の子どもにとって、日常生活での小さな成功は大きな自信につながります。できることが増えた時や、頑張っている姿を見た時には、積極的に褒めてあげることで、子どもの自己肯定感が高まります。
・情報を集め、理解を深める
発達障害についての正しい知識を持つことで、子どもをサポートする際の不安が軽減されます。書籍やインターネットを活用して情報を集め、発達障害の理解を深めましょう。
発達障害を疑う時には、親として不安を感じるかもしれません。しかし、早期に気づいて適切な支援を受けることで、子どもはのびのびと成長することができます。
子どもの個性を尊重し、無理のない範囲でサポートしていくことが大切です。何か不安があれば、クリニックでの相談もぜひ活用してくださいね。
次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!