子どもが低身長?と感じたら

こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。

みなさんこんにちは、だいぶ気候も秋らしくなってまいりました。今日のブログでは、「子どもの低身長」についてお話しします。身長の悩みは、特に小さいお子さんを育てているご家庭でよく聞かれる相談の一つです。

他の子と比べて身長が低いと感じると、親として不安を感じることがあるかもしれません。しかし、すぐに心配する必要はなく、まずは原因や対応方法を知ることが大切です。

低身長とは?

低身長は、同じ年齢・性別の子どもと比較して、標準の身長よりも大幅に低い状態を指します。一般的に、身長が平均値の下限よりも2標準偏差(SD)以上低い場合を「低身長」と呼びます。つまり、同年代の100人の中で2〜3人しかいないほど低い身長の子どもです。

低身長の原因

低身長の原因にはいくつかの要因があります。主なものを以下に挙げます。

遺伝的要因
両親の身長が低い場合、子どももその遺伝的影響で身長が低くなることがあります。これを「家族性低身長」と呼び、病気ではなく、成長速度も正常です。

成長ホルモンの分泌不全
成長ホルモンが十分に分泌されない場合、成長が遅れ、低身長になることがあります。この場合、成長ホルモンの治療が有効です。

甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの不足により、成長が遅れることがあります。この場合、甲状腺ホルモンの補充療法が必要です。

思春期遅発
思春期の成長スパートが通常より遅れることにより、同年代の子どもよりも身長が低く見えることがあります。しかし、成長が遅れても、最終的には正常な身長に達することが多いです。

慢性疾患や栄養不良
慢性的な病気や栄養不良があると、成長が妨げられ、低身長になることがあります。この場合、基本的な健康状態の改善が必要です。

どのような場合に医師に相談するべき?

以下のような場合には、医師に相談することをおすすめします。

・身長が極端に低いと感じる場合
・身長がほとんど伸びていないと感じる場合(年間の成長が4cm未満)
・他の子どもよりも著しく成長が遅れている場合
・思春期が遅れていると感じる場合

医師は、成長曲線をもとにお子さんの成長を評価し、必要に応じてホルモン検査や骨年齢の評価を行います。

成長を促すためにできること

・バランスの取れた食事
成長期の子どもには、タンパク質やカルシウム、ビタミンDなど、成長に必要な栄養素が不可欠です。バランスの取れた食事を心がけましょう。

十分な睡眠
成長ホルモンは主に睡眠中に分泌されるため、十分な睡眠時間を確保することが大切です。特に夜10時から翌2時の間は、成長ホルモンの分泌が盛んになる時間帯です。このゴールデンタイムにしっかり睡眠していることがとても大切です。

適度な運動
適度な運動は骨の健康を促し、成長に良い影響を与えます。特に、ジャンプや走る運動が効果的です。

子どもの成長には個人差があり、同じ年齢でも早く成長する子もいれば、ゆっくり成長する子もいます。過度に心配せず、健康的な生活を心がけることが、最も大切です。それでも心配な場合は、いつでもご相談ください。クリニックにいらっしゃる時には、母子手帳や保育園・小学校の成長の記録を持ってきていただけるととても診察の助けになります。

子どもの成長を見守りながら、無理なくサポートしてあげましょう。
次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!

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