子どもの頭痛について:原因と対応方法、気をつけるべきポイント

こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。

お子さんが「頭が痛い」と訴えると、親としてはとても心配になりますよね。実は、子どもにもさまざまな理由で頭痛が起こることがあり、その原因や対応方法は多岐にわたります。今回は、子どもの頭痛の主な原因と対処法、そして受診が必要なケースについて詳しくお話しします。特に、悪性腫瘍などの重篤な病気のサインを見逃さないための注意点についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

子どもの頭痛の主な原因

子どもの頭痛は、一次性頭痛(緊張型頭痛、片頭痛など)と二次性頭痛(他の病気が原因となる頭痛)に分けられます。原因を把握することで、適切な対応がしやすくなります。

・緊張型頭痛
頭の両側や後頭部に圧迫感や締め付け感を感じることが多いのが特徴です。長時間のスマホやタブレットの使用、勉強時の姿勢の悪さ、精神的なストレスなどが原因で起こりやすく、子どもの頭痛で最も多いタイプです。

片頭痛
子どもにも片頭痛が起こることがあり、片側もしくは両側のこめかみあたりがズキズキと脈打つように痛むのが特徴です。光や音に敏感になることも多く、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。ストレスや睡眠不足、特定の食べ物(チョコレートやチーズなど)がトリガーになることがあります。

感染症による頭痛
発熱や鼻水、喉の痛みなどを伴う場合、風邪などの感染症が原因のことがあります。感染症が原因の頭痛は、感染が治まるとともに消えることが多いです。

悪性腫瘍やその他の重篤な疾患による頭痛の見分け方

頭痛がただの緊張やストレスが原因であれば、対処も比較的簡単です。しかし、稀に悪性腫瘍や脳の異常など、重篤な病気が原因で頭痛が起きる場合があります。以下のような症状が見られる場合には、特に注意が必要です。こうした症状があるときは、早めの医療機関の受診が推奨されます。

突然の激しい頭痛
普段の頭痛とは異なる、突然強く激しい痛みが現れた場合は、脳に何か異常がある可能性も考えられます。特に、痛みが発生してすぐに嘔吐を伴う場合や、意識が混乱する場合は早急な受診が必要です。

朝起きた時の強い頭痛
脳腫瘍やその他の脳内圧が関係する疾患では、朝方に頭痛が強く現れることがあります。これに伴い嘔吐が頻繁に見られる場合は、脳の圧が変動しているサインの可能性もあるため、早めの受診を検討しましょう。

視覚や聴覚に異常がある
視力が急に低下したり、視野が狭くなる、物が二重に見えるといった視覚の異常がある場合は注意が必要です。また、耳鳴りや難聴が起こる場合も、脳の異常が関係していることがあります。

歩行が困難になる、手足のしびれや麻痺
頭痛に加えて、手足のしびれや力が入らない、バランスを崩して転びやすいといった症状が見られる場合、神経系の異常が疑われます。

発育や普段の性格が急に変わる
急に性格が変わったり、集中力や注意力が極端に低下する、感情の起伏が激しくなるといった変化が見られる場合、脳内に何らかの異常がある可能性も考えられます。

子どもの頭痛の対応方法

お子さんが頭痛を訴えた場合、まずは痛みを和らげ、症状が悪化しないようにサポートしてあげましょう。

静かな場所で休む
子どもが頭痛を感じたら、まずは静かで暗い部屋で休ませることが効果的です。特に片頭痛の場合は光や音に敏感になることがあるため、刺激の少ない環境で休むと良いでしょう。

水分を補給する
脱水症状が原因で頭痛が起こることもありますので、適度に水分を補給させてあげてください。特に遊びに夢中になっていたり、スポーツの後などはこまめな水分補給を心がけましょう。

こめかみや首の後ろを温める/冷やす
緊張型頭痛には温める方法、片頭痛には冷やす方法が効果的なことが多いです。こめかみや首の後ろを温めたり冷やしたり(お子さんが気持ちいいと感じる方でOK)することで、痛みが和らぐことがあります。

日常生活での頭痛予防法

頭痛を予防するためには、日常生活の習慣がとても大切です。子どもが快適に過ごせるよう、以下のような工夫をしてみましょう。

規則正しい生活を心がける
睡眠不足や不規則な生活は頭痛の原因になります。特に睡眠は子どもの成長にとってとても大切なので、規則正しい生活リズムを守ることが、頭痛予防にもつながります。

画面時間をコントロールする
スマホやタブレットの画面を長時間見続けると、眼精疲労や姿勢の悪化が原因で頭痛が起こりやすくなります。勉強や読書の合間にも、休憩を入れて目を休める習慣をつけると良いでしょう。

ストレスの発散
精神的なストレスも、子どもの頭痛の原因になることがあります。家族で一緒に遊ぶ時間を持ったり、自然に触れる時間を増やして、リラックスする習慣を心がけましょう。

子どもの頭痛は、大人と同じようにさまざまな原因が考えられます。まずは安静にしながら様子を観察してあげてください。特に、いつもと違う激しい痛みや朝の頭痛、視覚や聴覚の異常がある場合には早めに医療機関を受診し、原因を調べることが大切です。頭痛予防のために、規則正しい生活や適切な目のケアをサポートしてあげてくださいね。お子さん用の鎮痛剤も処方できますのでいつでも相談にいらしてください。

次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!

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