夜泣きについて:乳児の発達に応じて変わる夜泣きのパターンと対処法

こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。

赤ちゃんの夜泣きは、多くのママ・パパにとって悩ましいものですが、乳児の発達に応じて夜泣きの状況は変化していきます。夜泣きは赤ちゃんが成長し、心や体が発達する過程で自然に起こるもの。今回は、夜泣きの変化のパターンや、乳児の発達に応じた対処法についてお話しします。

夜泣きの変化と赤ちゃんの発達

夜泣きは、赤ちゃんの成長や発達とともに変わっていきます。発達段階ごとに夜泣きの原因や頻度が異なるため、それに応じた対応が大切です。

生後2〜3ヶ月頃の夜泣き
この時期の赤ちゃんは、昼夜の区別がまだついていません。また、赤ちゃんの体内リズムや消化機能が発達途中であるため、お腹が空いたり、おむつが濡れたりするといった不快感で夜泣きをすることが多いです。夜中の授乳やおむつ替えをしながら、落ち着いて寝かしつけましょう。

生後4〜6ヶ月頃の夜泣き
生後4〜6ヶ月頃になると、赤ちゃんの視覚や聴覚が発達し、周囲の刺激に敏感になってきます。親の顔が見えなくなると不安を感じたり、日中の刺激や出来事が夢に影響して、夜中に泣くことが増えることがあります。この時期は、寝る前のルーティン(お風呂、絵本の読み聞かせなど)を整えると、安心して眠りにつきやすくなります。

生後7〜9ヶ月頃の夜泣き
この時期になると、人見知りや分離不安が始まります。親がそばにいないと不安を感じるようになるため、夜中にふと目を覚ました時に泣き出すことが増えます。この段階では、そっと背中をさすったり声をかけて、親が近くにいると感じさせることが大切です。

生後10〜12ヶ月頃の夜泣き
赤ちゃんが自分の体をうまく動かせるようになると、寝ている時に体を動かしすぎて目が覚めることがあります。また、日中に多くのことを学び、心の中で新しい経験を整理する時期でもあるため、眠りが浅くなって夜泣きが増えることも。お昼間にたっぷり体を動かして遊ばせ、寝る前にしっかりリラックスできる環境を整えてあげましょう。

夜泣きの対処法

夜泣きは、すべての赤ちゃんが通る道であり、ある程度自然なことです。発達に応じた対処法で、親子共に無理せずに乗り切りましょう。

お腹やおむつのチェック
泣いている理由がわからない時は、まずお腹が空いていないか、おむつが濡れていないかを確認しましょう。赤ちゃんの不快感を取り除くことで、泣き止むことがあります。

眠る前のルーティンを作る
乳児期にリラックスできるルーティンを作ることは、夜泣きを軽減する効果があります。たとえば、お風呂やマッサージ、絵本の読み聞かせなど、寝る前に穏やかな習慣を続けることで、安心感を与え、寝付きやすくなります。

ライトを暗めにする
夜中に目を覚ました時にすぐに眠りに戻れるように、赤ちゃんの寝室はなるべく暗めにしておくのがポイントです。暗い環境は体内リズムを整え、再び眠りにつきやすくします。

寝かしつけで焦らない
夜泣きの時に、すぐに抱き上げてしまうと、赤ちゃんが目を覚ましやすくなります。そっと背中をさする、静かに声をかけるなどして落ち着かせる方法を試してみましょう。抱っこが必要な場合も、目が合わないようにして眠りに戻るサポートをします。

夜泣きがひどい時に試したい工夫

夜泣きが続くと、親も睡眠不足になりがちです。お互いに少しでも負担を減らすために、以下の工夫を取り入れてみてください。

・体温調節を整える
夜泣きの原因には、体温の不快感も含まれています。特に寒暖差が激しい季節には、適切な体温調節を行うことが大切です。
着せ過ぎない・温度に応じて調節:赤ちゃんはまだ体温調節機能が十分に発達していないため、着せ過ぎや厚手の掛け物は逆に不快感を生むことがあります。寝る際は、寝室の温度に合わせて軽めの服装で寝かせ、掛け物を調節しましょう。特に暖かい時期や暖房の効いた部屋では、汗をかかないように気をつけてください。

特に靴下を履かせないことも大切です。赤ちゃんは手足で体温を調節しているため、寝る時に靴下を履かせるのはNGです。足を温め過ぎると、体全体が熱くなり、眠りが浅くなってしまうことがあります。足元は自然な状態にして、赤ちゃんの体が快適に過ごせるようにしましょう。

寝室の温度は18〜20度前後、湿度は50〜60%程度を保つのが理想です。特に冬場は加湿器を利用して適度な湿度を保ち、肌の乾燥やのどの不快感を防いであげましょう。

・お昼寝の調整
赤ちゃんが長い時間お昼寝をすると、夜の睡眠リズムが乱れることがあります。夕方の遅い時間に長いお昼寝をさけると、夜にぐっすり眠りやすくなることがあります。

昼間にしっかり遊ぶ
昼間に体をたくさん動かし、日光を浴びることで、夜ぐっすり眠りやすくなります。昼間の活動量を増やし、夜はリラックスできる時間を意識して取り入れましょう。

・家族での分担
夜泣き対応は、ママだけでなくパパや家族で協力して行うと、お互いに無理なく過ごせます。家族で夜泣き対応を分担し、安心してサポートできる体制を作りましょう。

夜泣きは、赤ちゃんが成長するうえで誰もが通る道です。発達に応じて夜泣きの原因や頻度は変わっていくため、焦らずに赤ちゃんの成長を見守ることが大切です。夜泣きの対応で親御さん自身も疲れてしまうことがあると思いますが、無理をせず家族で協力しながら乗り切っていきましょう。もし夜泣きが続いて不安なことがあれば、いつでもご相談くださいね。

次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!

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