インフルエンザワクチンの季節!ワクチンを嫌がるお子さんに対する接し方:年齢別アドバイス
こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。
予防接種は大切な健康習慣のひとつですが、注射を嫌がる子どもも多く、親としてもどうサポートすれば良いか悩むことがあると思います。今回は、年齢別に注射を嫌がる子どもへの接し方と、少しでもスムーズに接種を受けられるためのアドバイスをご紹介します。
乳児期(0〜1歳)
この時期の赤ちゃんはまだ理解力が十分に発達していませんが、不安や痛みに対して敏感です。乳児期のワクチン接種を少しでも穏やかに進めるためのポイントを見てみましょう。
・しっかり抱きしめて安心感を与える
ワクチン接種時は、赤ちゃんが不安を感じないようにしっかり抱きしめ、声をかけてあげることが大切です。親のぬくもりや優しい声は、赤ちゃんにとって安心感を与えてくれます。
・接種後はすぐにあやす
注射が終わった後、すぐに優しくあやし、抱っこして安心させましょう。赤ちゃんにとって接種後の不安を和らげることが大切です。
・お気に入りのタオルやおもちゃを持っていく
お気に入りのタオルやおもちゃがあると安心感を持ちやすいです。少しでも穏やかな気持ちでいられるよう、普段からなじみのあるものを用意してあげると良いでしょう。
幼児期(1〜3歳)
この年齢の子どもは、少しずつ注射が痛いものだと理解し始めます。嫌がる気持ちを少しでも軽減するために、事前の心構えを持たせることや親のサポートが大切です。
・事前に「ちょっとチクっとするけどすぐ終わるよ」と説明する
ごまかすのではなく、注射が少し痛いことを正直に伝えたうえで、「すぐに終わるから大丈夫だよ」と安心させる言葉をかけることが効果的です。
・接種後に頑張りを褒めてあげる
接種が終わったら、「よく頑張ったね!」「偉かったね!」と褒めてあげましょう。頑張ったことに対する小さなご褒美(シールや絵本など)を用意しておくと、次も頑張ろうという気持ちにつながりやすいです。
・気をそらす遊びや歌を使う
接種の直前に、好きな歌を一緒に歌ったり、お話しすることで気をそらしてあげるのも効果的です。注射を見せずに、リラックスさせながら進められるように工夫しましょう。
幼稚園・保育園児(4〜5歳)
4〜5歳になると、注射がどんなものかをよく理解できる年齢です。不安を和らげるために、親が落ち着いた態度で接し、注射の目的や理由を伝えることが大切です。
・「注射をすると病気に負けない強い体になる」と前向きに伝える
「この注射を受けると、風邪を引きにくくなるんだよ」「体がもっと強くなるんだよ」と、注射の目的やメリットを説明し、前向きな気持ちにさせてあげましょう。
・体験談を交えて話してあげる
親自身が注射を受けたことや、少し痛いけれどすぐに終わった経験を話してあげると、子どもも安心しやすいです。「ママも痛かったけど頑張ったよ、一緒に頑張ろう!」と声をかけると良いでしょう。
・注射後のご褒美を一緒に決める
注射の後に好きな絵本を読む、好きな場所で遊ぶなど、小さな楽しみを用意してあげると、頑張った後の達成感が生まれます。「注射が終わったら、これをしようね!」と目標を設定して励ますと、少し勇気を出してくれるかもしれません。
小学生(6歳以上)
小学生になると、痛みや注射に対する恐怖心も大きくなっていきますが、理解力も発達しているため、注射が必要な理由や健康へのメリットを伝えることで納得しやすくなります。
・注射の目的をしっかり伝える
「予防接種を受けると、病気にかかりにくくなる」「健康でいられるようにワクチンがあるんだよ」と、ワクチンの意義を説明し、子ども自身が必要性を理解できるように話しましょう。
・注射が苦手な気持ちを受け入れる
小学生でも注射が怖い気持ちがあるのは自然なことです。「注射が怖い気持ちはわかるよ」「一緒に頑張ろうね」と、怖い気持ちを受け止めてあげることで、安心感が生まれます。
・深呼吸やリラックス法を教える
恐怖心が強い場合は、深呼吸や手をギュッと握るといったリラックス方法を教えると、気持ちが落ち着きやすくなります。接種前に深呼吸をして心を整えることを促してあげましょう。
・注射を無理に見せない
注射を嫌がる場合は、接種時に針を見ないようにすることも有効です。反対の方向を向かせたり、絵本を見ながら話すことで、接種の瞬間を見ないように配慮すると、恐怖心が軽減されます。
予防接種はお子さんの健康を守る大切なステップですが、痛みや恐怖心を感じやすい年齢では不安が付きものです。強要するのではなく、お子さんの気持ちに寄り添って安心できる環境を作ってあげることが大切です。
しかし、時にはパパやママが「あなたの体のために大切なものだから頑張って接種しよう!!」と毅然とした態度を見せることも大切です。注射が終わったら、たくさん褒めてあげて、「頑張ったね」と伝えてあげましょう。何か不安なことがあれば、遠慮なくご相談くださいね。
次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!