インフルエンザの大流行 A型とB型の違い、予防法について
こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。
今年はインフルエンザが大流行しています。保育園や学校でも「お休みが多い」と感じる方も多いのではないでしょうか?
インフルエンザにはA型とB型があり、それぞれ症状や流行時期に特徴があります。今回は、A型とB型の違い、そして大切な予防法について詳しく解説します。
インフルエンザA型とB型の違いとは?
インフルエンザウイルスには、主にA型・B型・C型がありますが、流行の中心はA型とB型です。それぞれの違いを見てみましょう。
特徴 | A型 | B型 |
---|---|---|
流行時期 | 12月〜2月にピーク | 2月〜3月にピーク |
感染力 | 非常に強い | 比較的穏やか |
症状 | 高熱(39℃以上)、悪寒、関節痛 | 発熱(高熱になることも)、腹痛・下痢 |
特徴的な症状 | 全身の強い症状、筋肉痛 | 消化器症状が出やすい |
流行パターン | 世界的な大流行の可能性 | 局地的な流行が多い |
重症化リスク | 高齢者・乳幼児で高リスク | 比較的軽症が多い |
✅ A型の特徴
・感染力が非常に強い
・高熱や関節痛など、全身の強い症状が出やすい
・世界的な大流行(パンデミック)を起こすこともある
✅ B型の特徴
・消化器症状(腹痛や下痢)が出る場合がある
・流行は局地的で、比較的症状が穏やか
・家族内での感染が広がりやすい
インフルエンザの主な症状
インフルエンザA型・B型共通の症状として、以下のようなものがあります。
・突然の高熱(38℃以上)
・悪寒、震え
・筋肉痛、関節痛
・頭痛
・倦怠感、だるさ
・喉の痛み、咳、鼻水
特に乳幼児の場合は、嘔吐や下痢といった消化器症状や熱性けいれんなども発症します。
最も重症の合併症としてインフルエンザ脳症があります。痙攣が治まらなかったり、意識が朦朧としたり、ご家族のことをちゃんと認識できなかったりする場合は速やかに救急車を呼びましょう。
インフルエンザの予防法
✅インフルエンザワクチンの接種
ワクチン接種は、重症化を防ぐ効果が証明されています。
特に、乳幼児はインフルエンザ脳症の発症リスクを抑えるためにワクチン接種が強く推奨されます。
ワクチン接種後、効果が出るまでに2週間程度かかりますので、早めの接種を心がけましょう。
✅手洗い・うがい
手洗いは感染予防の基本です。
外出から帰宅した際や食事前には、石鹸と流水でしっかり洗いましょう。
うがいは喉の乾燥を防ぎますが、ウイルス除去には手洗いの方が効果的です。
✅マスクの着用
飛沫感染の予防に効果的です。
ただし、マスクだけでは完全に感染予防できないため、手洗いとセットで行うことが重要です。
✅こまめな換気と加湿
ウイルスは乾燥した環境で活発化しやすく、湿度50〜60%程度を保つと感染しにくくなります。
定期的に窓を開けて、換気をすることも感染予防に効果的です。
✅生活習慣の見直し(免疫力アップ)
・十分な睡眠をとる
・バランスの良い食事(特にビタミンC・D、タンパク質をしっかり摂取)
・適度な運動
インフルエンザの流行期には、家庭での予防対策がとても大切です。特に小さなお子さんは免疫力が弱いため、ワクチン接種や日常の衛生管理を徹底して、感染予防に努めましょう。
また、インフルエンザの検査は、熱が出始めてから時間が経っていないと誤って陰性になってしまうことが多いので、熱が出始めて12時間以上経過してから受診するようにしましょう。
引き続き、みんなで健康を守っていきましょう!
次回も、役立つ子育て情報をお届けしますので、お楽しみに!