長期休み明けに子どもが学校や保育園に行き渋ったときの対処法
こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。
今回の年末年始は9連休でした。お正月明け、長期休みが終わり、新学期が始まるとき、子どもが学校や保育園に行きたがらないことがあります。
楽しかったお休みの余韻や生活リズムの乱れ、環境の変化など、さまざまな理由で「行きたくない…」という気持ちが生まれるものです。学校が始まる前日の夜から、お腹が痛い・頭が痛いなどの症状を訴えるお子さんも少なくないと思います。
今回は、長期休み明けの行き渋りの原因と対処法について解説したいと思います。
なぜ長期休み明けに行き渋るの?主な原因
お子さんが学校や保育園に行きたくないと感じる理由はさまざまです。まずは、どんな背景があるのかを理解することが大切です。
・生活リズムの乱れ
長期休みの間、就寝時間や起床時間がずれ、生活リズムが崩れている場合があります。朝起きるのがつらく、体がだるく感じることもあります。
・分離不安
長期休み中、家族と一緒に過ごす時間が増え、親と離れるのが不安に感じてしまうことがあります。
・環境の変化への不安
新しいクラスメイトや先生、久しぶりの集団生活に不安や緊張を感じることがあります。
・人間関係の悩み
友達との関係がうまくいっていない場合や、過去に嫌な思いをしたことがある場合、学校に行くのが怖く感じることがあります。
・疲れや体調不良
休み明けで疲れが残っていたり、体調がすぐれなかったりする場合も、行き渋りの原因になります。
行き渋りへの基本的な対応の流れ
行き渋りの際は、お子さんの気持ちをしっかり受け止めつつ、安心感を与えることが大切です。
✅まずは気持ちに寄り添う
「行きたくない」と言われたときに、すぐに否定せず、「どうしたの?」と優しく問いかけましょう。「嫌なんだね」「不安なんだね」と共感し、気持ちを受け止めることが大切です。
✅原因を探る
具体的に何が嫌なのか、理由をたずねましょう。
例:「何か心配なことがあるのかな?」
原因がわからない場合も多いので、お子さんが言いたがらにようであれば無理に聞き出そうとしないことも大切です。
✅ 少しずつ準備を整える
・生活リズムを整える(早寝早起きの習慣)
・前日に持ち物の確認や翌日の流れを一緒に行う。
・「明日は〇〇を頑張ってみようね」と小さな目標を設定する。
✅学校や保育園の先生と連携する
行き渋りが続く場合、担任の先生や保育士さんに相談し、サポートをお願いしましょう。
学校側に状況を伝えておくことで、教室での配慮や声かけをしてもらえる場合があります。
具体的な対処法:年齢別のアプローチ
🌱 未就学児の場合(保育園・幼稚園)
・朝のルーティンを作る
朝ごはん→着替え→お気に入りの絵本を読む→登園など、毎日同じ流れを作ると安心感が生まれます。
・「頑張るね!」のシールやスタンプを活用
登園できたらご褒美としてシールを貼るなど、視覚的な達成感を感じられる方法が効果的です。
・親の離れるタイミングを短くする
「行ってくるね!」と短く明るく伝え、離れる方がスムーズなことが多いです。
🌿 小学生の場合
・小さな目標を作る
「1時間だけ頑張ってみようね」「給食まで頑張ろう」など、段階的に目標を立ててみる。
・行く理由をポジティブに伝える
「今日の図工の授業楽しみだね」「帰ったら〇〇して遊ぼうね」と、学校生活の楽しい面を伝える。
・一緒に登校をサポート
学校まで一緒に行ってみる、近所のお友達と一緒に登校するなど、安心感を持たせる工夫も有効です。
行き渋りが続く場合の注意点
行き渋りが数日で解消される場合もありますが、長期化する場合や強い不安が見られる場合には、さらに慎重な対応が必要です。
・身体症状が出る場合(腹痛、頭痛など)
精神的なストレスが体に現れている可能性があります。医療機関での相談も検討しましょう。
・強い拒否反応が続く場合
無理に登校させず、一度学校側と連携しながら徐々に慣らすことも選択肢です。
長期休み明けの行き渋りは、子どもが環境の変化に適応しようとしているサインです。無理に叱ったり強制したりせず、お子さんの気持ちに寄り添いながらサポートしてあげることが大切です。小さな成功体験を積み重ねることで、少しずつ自信を取り戻していきます。
パパママも無理をせず、必要であれば学校の先生や医療機関と連携しながら、お子さんの成長を見守っていきましょう。
次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!