帰省中に注意!子どもの窒息事故を防ぐために

こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。

帰省中や旅行中は、普段とは異なる環境での生活が増えるため、思わぬ事故が起きやすくなります。その中でも、特に小さなお子さんに多いのが窒息事故です。食べ物やおもちゃ、寝具など、窒息の原因になるものは意外と多く、対策を怠ると大きな事故につながる危険があります。

今回は、帰省中に気をつけるべき窒息事故の予防法と、万が一窒息が起きてしまった時の対処法についてお話しします。

帰省中に窒息事故が増える理由

普段とは異なる環境にいると、以下のような状況が窒息事故のリスクを高めます。

食べ物による窒息
帰省先で出される食べ物が、子どもには硬すぎたり大きすぎたりすることがあります。特に、お餅や団子、ナッツ類、硬いお菓子などは注意が必要です。

小物やおもちゃによる窒息
帰省先にある小さな部品、ボタン電池などが、遊んでいるうちに誤飲・窒息につながることがあります。

寝具や布団による窒息
古い布団や大人用の枕など、子どもにとって柔らかすぎる寝具を使用すると、顔が埋まり窒息のリスクがあります。

食べ物に気をつける

お餅やお団子、ナッツ類を避ける
特に乳幼児には、お餅やナッツ類、お団子などを与えないようにします。
果物(ぶどう、ミニトマトなど)は**小さく切りそのまま丸呑みにさせないことが大切です。

一口サイズに切る
食べ物を与える時は、一口で食べられる大きさに切り、ゆっくり食べさせるよう促します。また水分を一緒に取らせながら食べさせることもとても大切です。

食事中は目を離さない
子どもが食べている間は必ず近くで見守り、歩きながらや遊びながら食べることを避けるようにしましょう。

おもちゃや小物を管理する

小さな部品や誤飲しやすいものを片付ける
ビーズやボタン電池、コインなどの小物は子どもの手の届かない場所に片付けましょう。

年齢に合ったおもちゃを選ぶ
乳幼児がいる場合は、小さな部品のついたおもちゃを避け、誤飲防止基準(3.2cm以上の直径)を満たした安全なおもちゃを使用してください。

寝具を見直す

大人用の寝具を避ける
柔らかすぎる布団や厚い枕は、顔が埋まり窒息する危険があるため、子ども用の適切な寝具を用意しましょう。

顔が埋まらないように配置を工夫
寝ている間に布団や毛布が顔にかからないように、軽くて薄い寝具を使用します。

万が一窒息事故が起きた時の対処法

万が一窒息が起きてしまった場合は、以下の対応を速やかに行いましょう。

・すぐに気道を確認
子どもが咳をしている場合は、咳を続けさせることで気道内の異物が排出される可能性があります。

・背部叩打法(背中を叩く)
子どもをうつ伏せにして、胸を支えながら背中を強めに叩きます(乳幼児の場合は5回を目安に)。

・胸部突き上げ法(腹部突き上げ法は1歳以上に)
乳幼児の場合は、仰向けに寝かせ、胸骨の下を圧迫します。
1歳以上の子どもでは、立たせた状態で腹部を圧迫(ハイムリック法)します。

・救急車を呼ぶ
異物が取れない場合や意識が薄れる場合は、速やかに救急車を呼びます。

帰省中は、楽しい時間を過ごす一方で、普段とは違う環境により思わぬ事故が起きやすくなります。窒息事故は、事前の予防策と見守りでほとんど防ぐことができます。食べ物やおもちゃ、寝具の安全性を改めて見直し、楽しい帰省をお過ごしください。

次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!

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