男の子のHPVワクチン接種の重要性
こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。
今日は、男の子にHPVワクチンを接種することの重要性についてお伝えします。私も年頃の2人の息子がいます。私も息子たちには是非接種させたいと考えています。
このワクチンがなぜ大切なのかを皆さんにもお伝えしたいと思います。
◆HPVワクチンとは?
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、皮膚や粘膜に感染するウイルスで、多くの種類があります。その中には、がんの原因となるタイプも含まれています。
HPVワクチンは、このウイルスの感染を予防するためのワクチンで、特に子宮頸がんの予防に有効です。しかし、男の子にも接種が重要な理由があるのです。
◆なぜ男の子にもHPVワクチンが必要なの?
・がんの予防
HPVは、子宮頸がんだけでなく、陰茎がん、肛門がん、咽頭がんなど、男性にもがんを引き起こすことがあります。HPVワクチンは、これらのがんの予防にも効果があります。
・パートナーへの感染予防
男の子がHPVワクチンを接種することで、将来的にパートナーとなる女性への感染リスクを減らすことができます。HPVは性行為によって感染するため、男性がウイルスのキャリアとなることを防ぐことは非常に重要です。
・集団免疫の向上
HPVワクチンの接種率が高まることで、集団免疫が向上し、社会全体でのHPV感染の拡大を防ぐことができます。これにより、がんの発症率を減少させることが期待されます。
◆HPVワクチンの接種タイミング
HPVワクチンは、一般的に9歳から14歳の間に接種することが推奨されています。この時期は、免疫応答が最も高く、ワクチンの効果が最大限に発揮されます。また、この年齢層はまだ性行為を経験していないことが多いのも大変有効な理由です。
◆HPVワクチンの接種タイミング
・手洗いの徹底
外から帰ったら手を洗う習慣をつけましょう。手洗いは感染症の予防にとても効果的です。
・清潔な環境を保つ
お子さんが遊ぶ場所や寝具を清潔に保ちましょう。特に夏場は汗をかきやすいので、こまめにシャワーを浴びさせるのも効果的です。
・爪を短く切る
お子さんの爪を短く切っておくことで、かきむしりによる感染の広がりを防ぎます。また、爪の中に細菌が入り込まないようにするためにも重要です。
◆ママとして心配な事
・安全性について
HPVワクチンは多くの研究で安全性が確認されています。副反応は一般的に軽度で、接種時の痛みや腫れ、発熱などが報告されていますが、重大な副作用は非常にまれです。
・費用について
江東区は2024年6月より小学校6年生から高校一年生の男性に対してHPVワクチンの全額接種費用が助成されることになりました。接種を希望する場合は江東区のホームページから申請が必要となります。
・不安や疑問は専門家に相談
ワクチン接種についての不安や疑問がある場合は、遠慮せずに小児科医に相談してください。不安を解消し安心してワクチンを受けていただけたらと思います。
男の子にHPVワクチンを接種することは、将来の健康を守るためにとても重要です。がんの予防やパートナーへの感染リスクを減らすために、このワクチンの接種を検討してみてくださいね。
私たち小児科医も全力でサポートしますので、どうぞお気軽にご相談ください。