アデノウイルス感染症について
こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。
今日は、アデノウイルス感染症についてお話しします。
子育て中のママとして、そして小児科医として少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。
◆アデノウイルス感染症とは?
アデノウイルスは、6~9月に子どもたちがかかりやすいウイルスで、風邪のような症状を引き起こします。
熱や鼻水だけではなく、腸炎や結膜炎、時には肺炎や脳炎といった重たい病気を引き起こすこともあります。
ちょうど学校や保育園でプールを行う時期に流行するので「プール熱」とも呼ばれています。
◆主な症状
・発熱:急にものすごい高い熱が出ることが多いです。40度を超えることもあり、5~7日間続くこともあります。
・咳や喉の痛み
・腹痛や下痢:特に小さなお子さんはお腹の症状が出やすいです。
・目の充血や目やに:結膜炎の症状です。
・疲労感や食欲不振:全身がだるくなったり、食欲がなくなったりします。小学生ぐらいのお子さんは頭痛を訴えることも多いです。
◆どうやって感染するの?
アデノウイルスは、感染した人の咳やくしゃみ(飛沫感染)、それから汚れた手や物を触ること(接触感染)で広がります。幼稚園や保育園など、子どもたちがたくさん集まる場所では特に注意が必要です。
◆治療方法
残念ながら、アデノウイルス感染症には特効薬はありません。でも、症状を和らげる治療を行うことで、お子さんの負担を軽くすることができます。例えば、発熱がある場合は解熱剤を使ったり、お腹の症状がひどい時は整腸剤を投与します。
いちばん大切なのは、しっかり水分を補給することです。ご飯が食べづらいときは、水分だけでなく糖分と塩分を取らせることに注目してください。お味噌汁やお粥、ゼリーなどを少しずつでもいいので食べさせましょう。
◆予防方法
・手洗いの徹底:特に外から帰った時や食事の前、トイレの後にはしっかり手を洗いましょう。
・早寝早起き:免疫力を高めるためにはよく寝ることが大切です。
◆保育園・幼稚園に通っているお子さん
アデノウイルス感染症にかかったお子さんは、解熱後2日間は登園することができません。
症状が改善して元気になったら登園許可証が必要になりますので、クリニックにお越しください。
アデノウイルス感染症は、子どもたちにとってとても一般的な病気ですが、時には重症化することもあります。
お子さんに症状が出たら早めに医療機関を受診して適切な対応をしましょう。
これからも子どもたちの健康を守るために、日々の予防と早期発見を心がけていきたいですね。