マイコプラズマ大流行中!怖いところ、重症化しやすい年齢、受診のタイミングとは?
こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。
現在、マイコプラズマ肺炎が大流行しています。特に子どもたちに影響を与えるこの感染症は、一見風邪のような症状から始まりますが、適切な対応をしないと重症化するリスクもあります。
今回は、マイコプラズマ感染症の怖いところ、重症化しやすい年齢、そしてどのタイミングで医療機関を受診すべきかを詳しくお話しします。
マイコプラズマの怖いところ
マイコプラズマ感染症は、マイコプラズマ・ニューモニエという細菌が原因となり、主に呼吸器に影響を与えます。マイコプラズマは「肺炎」の原因として知られていますが、最初の症状が軽いため、風邪と間違えられやすく、治療が遅れると症状が悪化することがあります。マイコプラズマの怖いところは、以下の点です。
・咳が長引く
マイコプラズマ感染の特徴的な症状は、咳が長期間続くことです。最初は軽い咳から始まり、やがて乾いた咳が出始めます。この咳は、2〜3週間、あるいはそれ以上続くことがあり、夜間に強まることもあります。咳が長引くことで、子どもが寝不足になったり、体力が消耗されてしまうことが心配です。
・肺炎に進展しやすい
初期段階では風邪のような軽い症状でも、マイコプラズマは肺炎に進展することがあります。特に咳がひどくなり、呼吸困難や胸の痛みが生じる場合は、重症化しているサインです。
・抗生物質が効きにくい
一般的な細菌性肺炎とは異なり、マイコプラズマはペニシリン系やセフェム系の抗生物質が効きにくいため、適切な抗生物質(マクロライド系やテトラサイクリン系)が必要です。しかし、抗生物質を服用してもすぐに症状が改善しないことが多く、しっかりとした治療が求められます。
重症化しやすい年齢
マイコプラズマ感染症は、全年齢に感染する可能性がありますが、特に重症化しやすい年齢があります。
・5歳から14歳の子ども
特に5歳から14歳の学童期の子どもたちが感染しやすく、重症化のリスクも高いとされています。この年齢層の子どもたちは、学校や部活動、習い事などで多くの人と接触する機会が増えるため、感染が広がりやすくなります。また、体の免疫力がまだ完全に発達していないため、感染後に肺炎などの合併症を起こしやすくなります。
どんな時に受診が必要?
マイコプラズマ感染症は、初期症状が風邪に似ているため、どのタイミングで受診すべきか迷うことが多いです。以下のポイントを参考に、受診が必要なタイミングを見極めましょう。
・咳が1週間以上続く場合
風邪だと思っていた症状が改善せず、咳が1週間以上続く場合は、マイコプラズマ感染症の可能性があります。特に夜間の咳がひどくなっている場合や、咳のために眠れない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
・熱が続いている場合
マイコプラズマ感染症では、微熱から38℃程度の発熱が続くことがあります。通常の風邪では数日で熱が下がりますが、発熱が3日以上続く場合や、熱が引いても咳が続く場合は、受診をおすすめします。
・呼吸が苦しそうな場合
息をするのが苦しそう、息切れがある、胸が痛むといった呼吸困難の症状が見られた場合は、肺炎に進展している可能性があります。こうした症状が見られたら、すぐに受診して、適切な診断と治療を受ける必要があります。
・食欲がなく、ぐったりしている場合:
マイコプラズマ感染が進行すると、全身の倦怠感や食欲不振が見られることがあります。子どもがぐったりとして元気がない場合や、食事や水分をあまり摂れない状態が続く場合も、医療機関を早めに受診しましょう。
マイコプラズマ感染症の予防法
マイコプラズマ感染症は、飛沫感染や接触感染を通じて広がります。特に学校や保育園など、集団生活を送る場所では感染が広がりやすいです。以下の予防法を心掛けることが大切です。
・手洗い・うがいの徹底
日常的な手洗い・うがいは、感染を防ぐための基本です。外出先から帰宅した後や、食事の前後にはしっかりと手洗いを行いましょう。
・咳エチケットを守る
咳やくしゃみをする際は、ティッシュや袖で口を覆うなど、周囲にウイルスを広げないように注意しましょう。マスクの着用も有効です。
・十分な休養と栄養をとる
免疫力を高めるために、十分な睡眠と栄養をしっかりと摂り、体調管理を徹底することが大切です。
マイコプラズマ感染症は、軽い風邪のような症状から始まりますが、重症化すると肺炎などを引き起こすことがあります。特に、子どもが咳や発熱、呼吸困難を訴えた場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
また、予防策を日常的に取り入れ、子どもたちの健康を守りましょう。何か心配なことがあれば、いつでもクリニックにご相談くださいね。
次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!