「反抗期」は成長の証!親が知っておきたい接し方とサポート法
こんにちは、有明こどもクリニック豊洲院院長の「のりちゃん先生」こと、村上典子です。
天使だと思っていた我が子から、「なんでいつもこうなの!」「ほっといて!」 などと、突然反発したり、口をきいてくれなくなったりすると、親としては戸惑い、ショックですよね。
わたしも長女が中学二年生になったときに、「ママの存在が私のストレスなの!!!」と泣きながら言われて、鉄の棒で頭を殴られたようにガーンとしたのを今でも忘れられません。
でも、実は反抗期は子どもが自立するために必要な成長のステップです。
今回は、反抗期の理由や親としての関わり方、反抗期との上手な付き合い方についてお話しします。

反抗期とは?なぜ起こるの?
✅ 反抗期とは?
反抗期は、子どもが親に対して反発し、自分の意思を強く主張する時期です。
これは、「親からの自立」に向けた大切なステップであり、子ども自身が「自分はどうありたいのか」を模索している時期でもあります。
✅ 反抗期が起こる理由(脳と心の変化)
・自我の発達:「自分はこうしたい」「親とは違う考えがある」と感じ始める
・ホルモンバランスの変化:思春期のホルモン分泌が情緒を不安定にする
・脳の発達:感情を司る「扁桃体」が活発になり、理性をつかさどる「前頭前野」とのバランスが崩れることで、衝動的になりやすい
・親との距離感を模索:安心できる親だからこそ、感情をぶつけて「自分はどこまで許されるのか」を試している
💡 「反抗期は親への甘えの裏返し」でもあります。
子どもは「親は何を言っても自分を見放さない」と無意識に信じているからこそ、反発するのです。
反抗期はいつから?どのくらい続くの?
✅ 第1次反抗期(2歳〜4歳頃)
・「イヤイヤ期」とも呼ばれる時期
・「自分でやりたい!」という自立心が芽生える
・感情をコントロールする力が未発達で、「イヤ!」やかんしゃくを起こすことが多い
💡 この時期は、「自立への第一歩」なので、親は忍耐強く「子どもの選択や挑戦を尊重すること」が大切です。
✅ 第2次反抗期(10歳〜16歳頃)
・思春期特有の心と体の変化で、親への反発や無視、口答えが目立つようになる
・「放っておいて」「ウザい」「なんで私ばっかり」と言うことが増える
・友達関係や学校、進路など悩みが複雑化する時期でもある
・親の価値観に反発し、「自分らしさ」を模索するようになる
💡 この時期の反抗は、「親からの心理的な自立」を目指している証拠です。
「親はわかってくれない」と感じることがあっても、子どもは心の中で「でも本当はわかってほしい」と願っているものです。
反抗期の子どもに親ができるサポート
✅ 「子どもの心のドア」を無理にこじ開けない
反抗期の子どもは、「自分の世界に親を入れたくない」時期です。
「どうしたの?」と詰め寄るよりも、子どもが話したいときに話せる「余白」を作ることが大切です。
💡 親の心構え
・「あなたの味方だよ」と態度で示す
・無理に解決しようとしない(子どもの話を「聴く」だけで十分な場合も多いです)
・沈黙もコミュニケーションのひとつと考える
✅ 感情的にならず、冷静に対応する
「うるさい!」「ほっといて!」とぶつけられると、親もついカッとなりますよね。
でも、親が感情的になると、子どもはさらに反発します。
💡 おすすめの対応法
・子どもの言葉にイライラしたら、3秒深呼吸して落ち着く
・「そう思うんだね」「そう感じたんだね」と感情をまず受け止める
・必要なときは、「今は冷静に話せないから、少し時間をおいてから話そう」と伝える
✅ 話し合うときは「親の意見」を押しつけない
子どもは、「自分の考えを尊重してほしい」と感じています。
親の経験からつい口を出したくなりますが、まずは子どもの話を最後まで聞くことが大切です。
💡 良い会話の流れ
・子どもの意見を最後まで聞く(途中で遮らない)
・「そういう考えがあるんだね」と共感する
・「親はこう思うけれど、どう感じる?」と自分の意見を伝える
この「対話」の経験が、子どもに「親は自分を一人の人間として尊重してくれている」と感じさせ、自立心を育てます。
✅ 子どもが「自分で決められる場面」を増やす
反抗期は「親からの指示に従いたくない」という気持ちが強まります。
そのため、自分で選ぶ機会を増やし、責任を持たせることが大切です。
💡 「自分で決める」機会の例
・服や持ち物は自分で選ばせる
・学校の宿題や勉強時間は、自分で計画させる
・習い事や部活について、自分の意思を尊重する
失敗することもありますが、その経験を通じて「自分の行動に責任を持つ」力が育ちます。
✅ 「ルールはしっかり、愛情はゆるく」
反抗期の子どもは、「何でも自由にさせてほしい!」と思いがちですが、実は心の奥では「安心できる枠組み」を求めています。
💡 ルールはシンプルかつ一貫性を持たせることが大切です
・守るべきことは明確にする(例:門限、スマホの使用時間、家族の約束など)
・ルールを破ったら結果を自分で体験させる(遅刻したら自分で先生に説明するなど)
「信頼しているからこそ任せる」という姿勢を伝える
反抗期を通して子どもはこう成長します
反抗期は、親子にとって「ぶつかり合いの時期」ですが、同時に「信頼関係を深めるチャンス」でもあります。
✅ 反抗期を経て、子どもは…
・自分の意見を持つ力が育つ
・親とは違う考えを持っても大丈夫だと知る
・自分で選び、責任を持つ経験を積む
・対話を通して、他者との関係を築く力を学ぶ
そして、反抗期を乗り越えた子どもは、必ず「親に見守られていた」「親は自分を大切にしてくれた」と感じる日がやってきます。
反抗期で悩むパパママへのメッセージ
大丈夫です。反抗期は終わります。
そして、その時期に親が「どれだけ子どもの話を聞いたか」「どれだけ受け止めたか」は、
子どもが大人になったとき、深い親子の信頼となって返ってきます。
もちろん、親御さんも「反抗期で疲れた」と感じることがあります。
そんなときは、無理をせず、一度距離を取ることも大切です。
親自身が笑顔でいることが、子どもにとって一番の安心感になります。

今は大変でも、この時期を乗り越えた先に、お子さんが心から頼ってくれる大人の親子関係が待っています。
ぜひ、焦らず、時には肩の力を抜いて、一緒に歩んでいきましょう😊
次回も役立つ情報をお届けしますのでお楽しみに!